「品田穣の鳥島紀行」 56年前のアホウドリとの出会い 7

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ちょっと悪いなぁと
思いつつ・・・

▲ 上の写真は、56年前に品田穣氏によって鳥島において実際に撮影された
「アホウドリ」の写真です。

この「品田穣の鳥島紀行」は、今から56年前 1964年 (昭和39年 )日本で第18回東京オリンピックが開催された年の12月に、気象庁の観測船「凌風丸」に便乗して船で鳥島に「アホウドリ」の調査に行かれた
品田穣 ( しなだゆたか ) 氏の実際の記録です。


ひとりで巣を守っている彼女が、とても愛おしい思えてきた。
そんな豊かな気持ちを抱きながらの昼食、
「おにぎり2個に、梅干し」
しかし、今日は、料理担当職員が島の保存食の塩干鱈、を付けてくれていた。
だが、めっぽう塩辛い。

隣で見ている彼女に「食べる?」と差し出すと、
「そんなもの食べられるか」とばかりに無視する。
「それはそうだろう、毎日新鮮な刺身をたらふく食べているのだからなぁ・・・」
と、勧めるのは止めにした。

午後は、「クロアシアホウドリ」のコロニーの観察に出かけた。

「クロアシアホウドリ」は、黒く、翼の開長は2m近くあるが、体重は3kgぐらいで、「アホウドリ」の5kgと比べると、やや小ぶりで精悍だ。

「アホウドリ」の住処はハチジョウススキの原だが、「クロアシアホウドリ」は、砂礫の何もない処でも平気で営巣する。

近づくと、「ぎょろり」と、こちらを見て攻撃してくる。
巨大な敵が近づいてきたと思い攻撃してくるのかと思っていると、そうでもないみたいで、「静かに座る」と敵意は消えてしまうようだ。
登山靴を履いた足を巣の方にゆっくり近付けても反応しない。
ちょっと悪いなぁ・・・と思いつつ、足で巣の壁を壊すと、黙々と巣を修復する。
私が壊したという認識はないのか?

ちょっと気の毒だが、もう少しイタズラを仕掛ける。
巣の中に大きめの草の茎を入れてみる。
すると、放り出すが私には向かってこない。
ところが、立ち上がってアクビをすると、猛然と攻撃してくる。
しかし、座ると大人しくなる。

彼には、原因と結果との関係が分からないらしい。

今度は、登山靴ではなく、手でイタズラをしてみる。
「そーっと」手を巣に近づけると、今度は手の指をどけようとする。
草の茎と間違えているのかもしれない。

なるほど、彼には、人間という動物の認識はないらしい。面白い!。


そんなことをしてしばらく「クロアシアホウドリ」と遊んで、いや、研究をして、彼女のところ「アホウドリ」のところに帰ると、
何やらそわそわして落着かない様子、上を見たり、下を見たりして、私の方をまともに見ない。

「黙って、「クロアシアホウドリ」のところに行って、遊んで、いや、研究をして来たのが気に入らないのか?」
「側を離れたので淋しかったのか?」
などと色々勝手に思い込んだ。

「クロアシアホウドリ」と比べると
「いやに人間的だなぁ」と感じた。

しかしながら、「アホウドリ」にしても「クロアシアホウドリ」にしても、だから、あんな悲惨な事になり、絶滅の危機さえ招いたのではないかと思わざるを得なかった。

などと、思いにふけっている私を無視して、彼女はやおら立ち上がり坂を登り始めた。
「おいおい、何処へ行くんだ」
10m ほど坂を登った処でこちらを向いて、何やら決心したように、
羽をバタバタさせながらヨチヨチと近ずいてくる。
「どうしたいんだ?」と思う間も無く、
私の方に向かって彼女は、猛ダッシュして来た。


続きは、次回に・・・



この続きの、
「品田穣の鳥島紀行」56年前のアホウドリとの出会い 8
「飛び立った、アホウドリ」は、下のところから、
Torishimakikou 「品田穣の鳥島紀行 56年前のアホウドリとの出会い 8」は、こちらから



56年前に実際に鳥島に行かれた品田穣氏のプロフィールです。

⭐️ 品田 穣 ( しなだゆたか ) 氏 プロフィール
 1932 東京都生まれ
 1960 東京教育大学 ( 現 筑波大学 ) 理学部地学科
    地質学鉱物学専攻卒業
 1962 国立科学博物館 文部事務官
 1963 文化財保護委員会
    事務局記念物課 文部技官 研究職
 1968 文化庁文化財保護部 記念物課
 1974 東京農工大学 非常勤講師
 1985 東北大学 理学博士
 現在 東京農業大学客員教授
    (財)日本野鳥の会 常務理事

🐥 「アホウドリ」も「クロアシアホウドリ」も
とても愛おしいく思えて来ます。




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