「品田穣の鳥島紀行」 56年前のアホウドリとの出会い 6

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愛おしい「アホウドリ」

▲ 上の写真は、56年前に品田穣氏によって鳥島において実際に撮影された
「アホウドリ」の写真です。

この「品田穣の鳥島紀行」は、今から56年前 1964年 (昭和39年 )日本で第18回東京オリンピックが開催された年の12月に、気象庁の観測船「凌風丸」に便乗して船で鳥島に「アホウドリ」の調査に行かれた
品田穣 ( しなだゆたか ) 氏の実際の記録です。


昨日、彼女は、一羽だけだった。
「巣を一緒に守るパートナーは居ないのだろうか。」と思っていると、

突然、落ちる様にして、朝食から帰ってきた「アホウドリ」彼女だ !

無事に帰ってきたので一安心した私は、コロニー全体像を確認しようと立ち上がって移動し始めた。
何かを感じて、ふと、振り向くと、彼女は黒い瞳を一層黒くして私を目で追いかけている様子。
その瞳は、
「何処へ行くの」と言っているように感じられた。
私は、「そうか淋しいのか」と勝手に思い込み、
また、彼女の側に戻り座り込んだ。
陸の孤島で孤独な時を過ごす私にとって、いつまで彼女の側にいても、一向に差し支えない。

しかも、
なぜか彼女の巣はコロニーの外れにあり、
全体がよく見える位置にあるので、
「よし、ここから観察しよう」と決めてあたりを見回し始めた。

しばらく、ぐるりと見渡していると、ハチジョウススキの群落は、一様に生育している訳ではなく、いくつかの株を中心に分布している事に気づいた。
株と株の間はつながっている所もあるが、独立している所もある。

群落が全体としては成長しつつあるか、衰退しつつあるのか、よく分からないが少なくとも、全盛期ではない。

地形から見て、時々の大雨により、土砂が流されハチジョウススキを覆っているように見える。
このため、衰退したと思ったら再び、株立ちしたハチジョウススキが勢いを盛り返すと言う事を繰り返してきたようだ。

そうだとすると、ハチジョウススキに営巣を依存している「アホウドリ」にとっては、大雨は死活問題である。

そんな、ハチジョウススキの群落を中心に、2羽から数羽ずつ、全部で7つのグループが見える。
羽がまだ黒い所の残っている若鳥も、産まれたばかりの雛の姿も見える。
家族かもしれないが、よく分からない。
全部で30羽近い。

そんな中で、彼女のように孤独な「アホウドリ」がもう一羽いる。
いずれも、ハチジョウススキの外れか、少し離れた裸地に巣がある。
成鳥なので、なぜ、番いでないのかがわからない。
パートナーが居ないのか、死別したのか、別れたのか。

ここで、「アホウドリ」の習性などについて、ちょっと

🐦「アホウドリ」は「一夫一婦性」毎年、同じ番い相手と同じ巣営場所で
繁殖し、一生相手を代えません。
そして、
絶海の孤島で、卵を生み、集団で子育てをします。

食べ物は、魚、いか、オキアミなどで、
1年に1回、10月下旬〜11月中旬に「一つだけ」卵を生む。
メス・オス、交代で2カ月以上、卵を温める
卵の大きさは、長径11.8cm、短径7.4cm、重さ約375g。
そして、
雛が生まれてから、集団で子育てをし、巣立つまで、5〜6カ月かかるそうです。


若鳥が島に戻ってくるのは、5年目ぐらいで、繁殖を始める年齢は遅く、早いもので5歳、平均で7歳です。
美しい羽根を持つ成鳥になるまで8年〜10年ほどかかります。翼を開長した時 の長さは230cmにもなり、
日本では、最大級の海鳥です。


戻ります。
側にいる彼女は、一人で淋しそうに巣を守っている。

そう思って見ていると、側の彼女が
いや、「アホウドリ」が、何故かとても愛おしく思えてきた。

南海の孤島で孤独な時間を独り占めにしているせいか・・・・。





🐣本当に、手のかかるひな鳥です。
私の大好きな、あの美しい飛んでいる姿になるのには、長い年月が
必要なのですね。

次回は、「アホウドリ」の近くにいる「クロアシアホウドリ」について

この続きの、
「品田穣の鳥島紀行」56年前のアホウドリとの出会い 7
「ちょっと悪いなぁ・・と思いつつ・・」は、下のところから、
Torishimakikou
 「品田穣の鳥島紀行 56年前のアホウドリとの出会い 7」は、こちらから




56年前に実際に鳥島に行かれた品田穣氏のプロフィールです。

⭐️ 品田 穣 ( しなだゆたか ) 氏 プロフィール
 1932 東京都生まれ
 1960 東京教育大学 ( 現 筑波大学 ) 理学部地学科
    地質学鉱物学専攻卒業
 1962 国立科学博物館 文部事務官
 1963 文化財保護委員会
    事務局記念物課 文部技官 研究職
 1968 文化庁文化財保護部 記念物課
 1974 東京農工大学 非常勤講師
 1985 東北大学 理学博士
 現在 東京農業大学客員教授
    (財)日本野鳥の会 常務理事





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