3枚の写真で組写真を作っていく編集の基礎がわかる!
写真を表現する際に、一枚の写真で表現していく「単写真」と、複数枚の写真でテーマやストーリーを表現していく「組写真」があります。
写真を「組写真」で表現していく際、複数枚の写真をどのように組んで行けばいいのか、どのように見せていけば良いのか迷った方も多いのではないでしょうか?
また、
「どの写真と、どの写真を組めばいいのだろう?」
「どのように考えて写真を並べればいいのだろう?」
「写真を組んではみたものの、意図していた事が思うように伝わっていない気がする」
などと思ったことがある人も多いいと思います。
そんな時に、必要なのが「写真の編集」と呼ばれる作業です。
難しそうだと思われる方も多いいと思いますが、
基本的なルールがありますので、安心して下さい。
この記事では、3枚の写真で組写真を組んでみたいと思っている、あなたに向けて、私が今まで3枚の組写真を作ってきたノウハウを基礎的なことからお伝えしていきます。
まず、
3枚の組写真を作っていくときの考え方の「型」です。
・時系列型・・組写真の中に撮影した時の時間の流れを表現していく。
・タイポロジー型・・同じ種類の対象を被写体として撮影した写真を集める。
・ロードトリップ型・・非日常の場所に出かけて撮影した写真をまとめる。( 自分の旅行の写真集 など)
・物語型・・ストーリーで写真を組んでいく。
・ポートフォリオ型・・ひとつのテーマをいろいろな切り口で撮影する。
・カタログ型・・撮影した写真のダイジェスト。
この6つの型を、心にとどめておいてください。
この記事の内容は
1 写真を編集していく上で一番大切なこととは
2 どのように、3枚の組写真の中心になる写真を決めるのか?
そして、どのように、中心になる写真と他の写真とを組み編集していくのか?
以上のことを説明していきます。
1 写真を編集していく上で一番大切なことは
写真の編集をはじめるまえに、
あなたは、どうして写真を編集して組写真を組んでみようと思われましたか?
写真展ですか?
写真集ですか?
そこまではいかなくても、あなたが今まで撮影してこられた多くの写真を、組写真によって誰かに見てもらおうと思われたからじゃないですか?
( 組写真の作り方を考えておくと、いつか展示したり、写真集を作ったりするときにときに、必ず役に立ちます )
では、
見ていただく人達に、組写真によって何を伝えたいですか?
写真を編集、組んでいくときに一番大切なことは、
「編集し、組んでいった組写真を見てくださった人達に、どのようなメッセージを伝えたいのか?」を
まず、あなたの中で写真を選び、編集しながら意識して考えておく事です。
( 写真を組みながら、どっちの写真にするか迷った時にブレズに組写真を組んでいくことができます )
2 どのように、
3枚の組写真の中心になる写真を決めるのか?
そして、
どのように
中心となる写真と他の写真を組み編集していくのか?
伝えたいメッセージを心の片隅にとどめて、3 枚の組写真の中心になる写真を決めていきます。
その際に、必ず組写真を組んでみたいと思う写真をプリントしてください。
データーで見ているのと、プリントしたのとでは、こちらに伝わってくる感じがかなり違います。
そして、
プリントする時、写真の主人公をハッキリさせるために、余計なものをトリミングで取り除いて見てください。
すると、
スナップ写真が、主題のハッキリした組写真に適した写真に仕上がります。
( 私の場合は、ほとんどがスナップ写真です。だから、トリミングによって、表現意図にそった主題のはっきりした写真に変えていきます )
私が使っている写真編集ソフトは「Lightroom」(ライトルーム) です。
* Many・Thanks 「Lightroomのトリミングツールの使い方」は、こちらです。
「組写真の作り方・組写真の編集や展示の仕方 2 」の説明は、下のところから、
KUMISHASHIN
「組写真の作り方・組写真の編集や展示の仕方 2 」は、こちらから
3 枚の写真で組写真を作ってきた私の場合は、まずはじめに中心になる写真を「人物」「動物」「オブジェ」などで、決めます。
ここからは、
私の作ってきた組写真を参考に説明していきます。
例えば
▼ 下の組写真を見てください。
この組写真は、2017年 1月に展示した「貫く思い」です。
この組写真は、3枚の組写真を作っていくときの考え方の「型」から説明すると、
・ロードトリップ型・・非日常の場所に出かけて撮影した写真をまとめる。
( 自分の旅行の写真集など )
になります。
この「貫く思い」の組写真は、真ん中の「太陽の塔」の「太陽の顔」の写真を一番最初に決めました。
みなさんもご存知の、岡本太郎さんの「太陽の塔」です。
「太陽の塔」の写真の現在を表す「太陽の顔」が、写真編集ソフト「Lightroom」でスクロールしていると、いつも私を見ているように思えたのと、この「太陽の顔」の写真から力強さをとても感じられたので「太陽の顔」で3枚の組写真を作ってみようと思いました。
まず、
「太陽の顔」の写真をプリントして目の前に置きます。
そして、
写真から感じられるものを書き出していきます。
1 丸い顔をしている。
2 丸い目をしている。
3 横目で私を見ているようでもあり、遠い景色を見ているようでもある。
4 鼻とおでこが突き出ている。
5 写真右の太陽の塔の手が斜め上を向いてでている。
6 向こうに青い空が広がり雲が浮かんでいる。
7 手前に緑色の木がある。
こんな感じです。
次に、
この「太陽の塔」を制作された頃の、岡本太郎さんは、たいへん縄文土器に興味を持たれていた事を知った私は、縄文時代を頭の中で思い描きました。
そして、
「太陽の塔」の「太陽の顔」が見ているであろう景色を想像してみて、一番上の写真を決めました。
一番上の写真は、私が書き出した事柄の、
3 横目で私を見ているようでもあり、遠い景色を見ているようでもある。
6 向こうに青い空が広がり雲が浮かんでいる。
7 手前に緑色の木がある。
に、当てはまると思います。
この組写真の一番上の写真は、奈良県の山添村で撮影した写真です。
真ん中の写真の「太陽の塔」の「太陽の顔」が見ているであろう縄文時代を想像した景色の写真です。
写真の中に現代の物、高いビルとか、高速道路とかが映り込んでいない風景写真です。
そして、
この一番上の山添村の山々の写真は、「遠い写真」です。
⭐️ ここでちょっと
私の3枚の写真を組んでいくときの型の基本的なルールです。
中心となる写真を1枚決めて、あとの2枚の写真は、
「遠い写真」と「近い写真」とで、3枚の組写真を組んでいきます。
「遠い写真」とは、望遠レンズなどで遠くを撮影した「風景写真」などです。
そして、
「近い写真」とは、広角レンズや、標準レンズなどで、自分の近くにある物や、花などを撮影した写真です。
戻ります
最後に、一番下の赤い彼岸花の写真を説明していきます。
普通、季節の花は、桜の花のように「桜前線」とか言って暖かい地方から順に北へ咲いていきますが、
みなさん、彼岸花が全国一斉にお彼岸の頃に花が咲くのをご存知ですか?
九州でも、北海道でもですよ。
不思議だと思いませんか?
そんな彼岸花の不思議さと、組写真の中にアクセントとして赤色が欲しいなと思ったのと、彼岸花のバックにある緑の中の白い丸ボケが「太陽の顔」の丸い目の形が似ている。
そして、
「太陽の塔」の「太陽の顔」の丸い顔の形と彼岸花の花の形が全体的に丸い形なのと、彼岸花のおしべのひろがっている角度が、「太陽の塔」からでている手の角度と似ているので、この赤い彼岸花の写真に決めました。
「太陽の塔」の「太陽の顔」の写真を見ながら書き出した項目の、
1 丸い顔をしている。
2 丸い目をしている。
5 写真右の太陽の塔の手が斜め上を向いてでている。
7 手前に緑色の木がある。
に、当てはまると思います。
太陽の塔の横に伸びた腕の角度と、彼岸花のおしべの外に広がった角度が、同じような角度だと感じませんか?
一番下の「赤い彼岸花」の写真は、この3枚の組写真の中では「近い写真」になります。
「太陽の顔」の写真を、山添村の「遠い写真」と赤い彼岸花の「近い写真」とで組んでいった組写真なので、見ていても息の詰まる感じはなく、どこかしかつながっている組写真になっていると思います。
「組写真の作り方・組写真の編集や展示の仕方 2 」の説明は、下のところから、
KUMISHASHIN
「組写真の作り方・組写真の編集や展示の仕方 2 」は、こちらから
今一度、
3枚の組写真を作っていくときの考え方の「型」から説明すると、
・ロードトリップ型・・非日常の場所に出かけて撮影した写真をまとめる
( 自分の旅行の写真集など )
になります。
この「貫く思い」の組写真の「ものがたり」は、
「太陽の顔が見つめる先には、縄文時代の景色が広がり、足もとには、赤い彼岸花が咲いている」になりました。
最後に
「貫く思い」の組写真の写真を並べてみましたのでので、
ここまで読んでこられた事柄を思い浮かべながら見てください。
以上です。
2017年 1月展示した組写真「貫く思い」の詳しい説明は下のところから、
KUMISHASHIN
「組写真 作り方 考え方 2017年 1月 編 [ 1 ] 貫く思い 」は、こちらから
KUMISHASHIN
「組写真 作り方 考え方 2017年 1月 編 [ 2 ] 貫く思い 」は、こちらから
最後に、私からの提案ですが、
あなたが、3枚の写真で作った組写真を、ちょっと大きいめの2L、または、A5ぐらいの写真用紙にプリントしてみてください。
そして、
額に入れるのがベストですが、
2L、または、A5の写真用紙のままでもかまいませんから、
お家のどこかに組んで飾ってみてください。
きっと、新しいものが見えてくると思います。
一枚一枚違う場所で撮影した写真を3枚選び、
組写真を組むことは、写真にまた新しい命を吹き込む作業におもえます。
3枚の写真で作る組写真の、新しい命の風を感じてみてください。
最後まで、読んでくださいましてありがとうございました。
3枚の組写真を作り上げていく際の参考になれば幸いです。
この続きの、
「組写真の作り方・組写真の編集や展示の仕方 2 」の説明は、下のところから、
KUMISHASHIN
「組写真の作り方・組写真の編集や展示の仕方 2 」は、こちらから
KUMISHASHIN 「組写真・作り方・考え方」は、こちらから
HAERUSHASHIN 「映える写真を撮影!」は、こちらから
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