Postcard ポエム「 一人ではない」2020年 6月

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京都 四条通の店先に置かれた つくばい
円い水の中で 遊ぶ あじさい

墨色の黒の中に 落ちて行きそうな心と
心の奥底にある思いとが 手をつなぐ

やがて 意識が 遠のいていく

私を こよなく愛してくれた 祖父の思いが
透明な うす緑の思いの水の中に
浮かぶ うす紫のあじさいの花に

意識が 引き留められた

一人ではない ひとりで 生きている





2020年 6月 Postcard ポエム
「 一人ではない」

この写真は、京阪電車の四条駅で降りて、八坂神社に向かう途中の骨董品を売る店の、店先に置かれたつくばい。
骨董品を売っている店の前を通りがかったとき、ちょうど店主の方が、あじさいの花を浮かべたところでした。
店主の方に了解を得て撮影させていただきました。
澄んだ水に浮かび、遊んでいるあじさい。
この写真以外に 6 枚撮影しているのですが、つくばいに浮かぶあじさいの花の位置が、ちょうど良いと思えたのがこの写真です。


▼ 下の写真を見てください。
実際に撮影した写真です。

四条通沿いにある、「何必館」( 京都現代美術館 )に向かう途中で、出会った「つくばい」です。
きっと普段は、つくばい全体がもっと白っぽいのだと思いますが、この時ちょうど水を替えて、あじさいの花を浮かべて直ぐだったので、つくばいの片隅が水で濡れていて、床に滴が落ちています。
写真ではわかりづらいのですが、つくばいの底が薄らと緑色をしていて、角の取れた丸い石がしずめられていました。
本当に、ラッキーだったと思います。



⭐️ ここでちょっと

私は撮影の際、いつもセンターピントで撮影します。スナップ写真が多いせいでもあるのですが、
シャッターチャンスを逃さないためです。
「あっ!」と思った時に、逃さず、迷わず、シャッターを押すためです。
「ROW [ ロウ ]( 生 )」画像で撮影していれば、「どんなトリミングも怖くない」という勢いです。

*スナップ写真の撮影の仕方の参考に、ぜひ、合わせてお読みください。 
Many・Thanks 「スナップ写真とレンズ」は、こちらから

HAERUSHASHIN
映える写真を撮影! 3「スナップ写真の撮影について 1 」は、こちらから

HAERUSHASHIN
映える写真を撮影! 4「スナップ写真の撮影について 2 」は、こちらから


私が使っている写真編集ソフトは「Lightroom」(ライトルーム) です。

* Many・Thanks 「Lightroomのトリミングツールの使い方」は、こちらです。




この写真をレタッチでどのように仕上げていくのか・・・
私は、
写真の黒い部分を強調して、墨色の中につくばいが浮かび上がるようにしたいと考えました。

そこで、
レタッチで、
まず、露光を少し下げて、コントラストをあげました。
次に、ハイライトを抑えて、シャドーをあげました。
そして、
最後につくばいの底の緑を残したいと思ったので、自然な彩度を少しあげています。


▼ 下の写真を見てください。
レタッチの後です。

いかがですか?
良い感じに仕上がりましたね。
墨色の黒が出ていますよね。


▼ レタッチ前の写真と見比べてください。





次に、トリミングです。
余計なものが写り込んでいるので、トリミングでカットしました。



▼ 下の写真を見てください。

いかがですか?
右下の石は、写真の「ウケ」のような感じでのこしています。
このウケがあることによって、写真全体の重心が整い、バランスが取れているように思います。



⭐️ ここでちょっと
トリミングについて説明します。
▼ 下の図を見てください。トリミングの基本図です。

縦線と横線との交点のところに、写真の主人公を配置すると
安定感のある、落ち着いたいい写真になると言われています。

よく言われている「黄金分割」の図です。


戻ります。
▲ 上のトリミングの基本図の赤い⭕️ のところに、つくばいの中心がくるようにしてトリミングをしました。



*トリミングでお悩みの方、ぜひ参考に合わせて、お読みください。

KUMISHASHIN 「組写真・トリミング・考え方 2013年5月 若者 」は、こちらから

私が使っている写真編集ソフトは「Lightroom」(ライトルーム) です。

* Many・Thanks 「Lightroomのトリミングツールの使い方」は、こちらです。



2020年 6月のポストカードポエム のタイトル「一人ではない」は、買い物に行く途中で思いつき携帯に残していたワンフレーズを使いました。
言葉は、ある時突然ふってきます。そんな言葉は、あっという間に風に飛ばされてどこかに消え去ってしまいます。
必ず書き留めておくことが大切です。




墨色の深き黒の中に何が見える

怖さを感じさせない墨色の黒
黒い底から浮かび上がってきた心

墨色の底から響いてくるものは
心の深いところで共鳴する

深くしずんでいく思いの先に
幼い頃の思いが
うす緑色の水の中に浮かんでくる

私をこよなく愛してくれた祖父への思い
もう一度会いたい
会って抱きしめてほしい

うす紫色のあじさいの花びらに
祖父への思いが重なる

私をこよなく愛してくれた
その両手で抱きとめてほしいと

墨色の底に沈んでいく前に




2020年 6月のポストカードポエム「一人ではない」を作ってから数年が過ぎたとき、
まど・みちをさんの「うちゅうの目」という詩集にであいました。
その詩集に


いわずに おれなくなる


いわずに おれなくなる
ことばでしか いえないからだ

いわずに おれなくなる
ことばでは いいきれないからだ

いわずに おれなくなる
ひとりでは 生きられないからだ

いわずに おれなくなる
ひとりでしか 生きられないからだ



この「いわずに おれなくなる」という、
まど・みちをさんの詩にであって、とても嬉しかったのを覚えています。


私のポエムの最後の一行につながっていると思えたからです。


一人ではない ひとりで生きている



人は、ひとりでは生きられないが、
最終的には
人生を
ひとりで選んで
ひとりで決めて
生きていくものなのだと・・・




前回の、
ポストカードポエム「2020年 5月  心の手で」は、下のところから
Postcard Poem 「Postcard ポエム  2020年 5月 心の手で 」は、こちらから




Many・Thanks 「スナップ写真とレンズ」は、こちらから

KUMISHASHIN 「組写真・作り方・考え方」は、こちらから

HAERUSHASHIN 「映える写真を撮影!」は、こちらから

Postcard Poem 「Postcard ポエム」は、こちらから

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