Postcard ポエム「 ただ それだけでいい 」2019年12月

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1925年に建てられた船場ビルディング
細長いパティオ風の中庭がある

たくさんの「ものがたり」を語ってくれる
格子ある ガラス窓に心ひかれる

空気をちょっと分けるガラス窓
時々 鏡になるガラス窓

明かりの灯る中
別に なぐさめてほしい訳ではなく
ただ そばに居てくれるだけでいい

その輝く微笑みは 心を暖かく包んでくれる

ただ それだけでいい


2019年12月 Postcard ポエム
「 ただ それだけでいい 」

この写真は、1925年に建てられた大阪市中央区にある船場ビルディングで撮影しました。
この船場ビルディングは、内部中央部に細長いパティオ風の中庭があり吹き抜けとして、その周囲に回廊がめぐらされている建物です。
何か、タイムスリップした感がありながらも、古さを感じるのではなく、モダンな空気をとても感じました。

この写真を12月のポストカードポエムに選んだのは。手前の豆球の明かりがクリスマスを感じさせたからです。



▼ 下の写真を見てください。
実際に撮影した写真です。

まず、この写真のベースラインを整えていきます。
家を建てるときにしっかりした骨組みが必要です。写真にも骨組みがあります。
写真の骨組みである、水平垂直を整えると、それだけで写真にスッキリ感が出てきて、見た感じがよくなります。
ベースラインを意識して、トリミングをしていきましょう。

誰もがそうですが、撮影したときは、ちゃんと平行が取れて撮影できたと思っています。しかし、こうして見てみると向かって右側が少し下がっていることがわかります。



ベースラインを整えながら、トリミングをした写真が下の写真です。
▼ 下の写真を見てください。

この写真の場合のべースラインは、真ん中の少しはばの広い格子です。この格子を垂直にして、上の格子を少し広い目にとり、次に、水平にして、左右対象にトリミングをしました。

これで、ベースラインが整いました、

ちょっとスッキリ感が出たと思いませんか。


私が使っている写真編集ソフトは「Lightroom」(ライトルーム) です。

* Many・Thanks 「Lightroomのトリミングツールの使い方」は、こちらです。

*トリミングの参考に、ぜひ合わせてお読みください。
KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年4月 足もと」は、こちらから

KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年5月 若者 」は、こちらから

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「組写真・トリミング・考え方 2013年7月 通りすがり 」は、こちらから

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「組写真・トリミング・考え方 2013年9月 白の時 」は、こちらから

KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年11月 いちょうの葉 」は、こちらから





次に、この格子窓の写真のレタッチをしていきます。
▼ 下の写真を見てください。

いかがですか?
レタッチで、露光を上げて、窓の内側を明るくして、次に、少しハイライトを上げて、部屋の中を白く明るい感じにしました。そして、最後にシャドーを下げて葉っぱの緑を出しました。

暖かな部屋の雰囲気が感じられる写真になりました。

レタッチをする時に大切なことは、自分の中にある「どのような写真に仕上げたいのか?」のイメージをしかり持って、色々なボタンを動かしてみることです。



夜の電車の窓から眺めるマンションの灯りに、どんな思いの中で、人々が暮らしているのだろうかとついつい考えてしまう。

ガラス窓からふりそそぐ太陽の光は暖かく、夜にガラス窓からこぼれてくる光は、こぼれくる物語をささやいている。


ガラス窓は、外とうちをほんの少しだけ隔ててくれる。
ガラス窓を通過するのは視線だけ、その身は、扉を開けて部屋に入ることになる。
ガラス窓越しに見える内側に、心ひかれる誘惑に時としてさそわれてしまう。

ガラス窓のガラスは、取り立てて表面が平らでなくてもいい、
少し波うっている方が、
心の内側のゆれる心を隠してくれる気がする。
決してそうではないのに、そんな気がしてならない。

ガラス窓は時に、鏡になる。
だからこそ、ガラス窓のガラスは少し波うっている方が好きだ。

潮がひいていくように、周囲の物音が遠ざかり、鈍くくぐもり、
代わりに自分の鼓動が、ドクッドクッと耳の奥で響き始める。
今生きている自分の鼓動にじっと耳をすます。

小さな一つの場面が浮かび上がってくる。

他者の弱さに気づくことができる人は、
ごく自然に他者を暖かく包み込むことができる。

言葉はいらない、

ただ、そばにいてくれるだけでいい。

ただ、それだけでいい。



前回の、
Postcardポエム 2019年11月「さざ波」の説明は、 
Postcard Poem  2019年11月「さざ波」は、こちらから




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