写真からのポエム「こもれ陽に」2018年12月

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イメージ写真からの はがきサイズのポエム

京都市左京区岩倉 円通寺
比叡山を借景に見事に配置された杉
その幹に ちらちらと輝く こもれ陽

ここから眺める 比叡山の稜線は
雄大でありながら 不思議と
心には ゆるやかなものが 満ちてきます

なぜか一ヶ月ほど前から この写真が
チラチラと 頭の中に浮かんで来たので
今月の写真に決めました

杉の幹のこもれ陽に何かを
思いおこして頂けましたら幸いです



写真からのポエム 2018年12月 
「こもれ陽に」

この写真を撮影したのは、2013年10月です。

この頃、京都に撮影に行きたいと思って、どこがいいかと、色々思っていました。
そして、
やっぱり卒業してから一度も行っていない大学に行ってみようと思いました。
それは、京都精華短期大学、( 現在の京都精華大学 )です。
今ある私の、「原点」のように思えたから・・・



⭐️ ちょっと寄り道

私は、この京都精華短期大学( 現在の京都精華大学 )の急な坂道の下を入学する3年前に、
たまたま通りがかっていたのです。

それは、
中学校の同窓会の下見で、深泥池 ( みどろがいけ )までバスで行き、円通寺に寄って、その後、京福電車の「木野」駅まで歩いて行きました。その途中で、この京都精華短期大学( 現在の京都精華大学 )の坂の下を通っているのです。
その時に、「この坂の上には何があるのだろう」と思った事を覚えています。


高校の美術の先生に勧められて、この大学を受験する為の願書を取りに行った時に、
初めて「あ ! ここ来た事がある ! 」

人の人生の巡り合わせとは、本当に不思議なものです。

自分の意図していない所で、何かが動いていて、そこに導かれていく・・・


無事、京都精華短期大学( 現在の京都精華大学 )に合格して、
大阪から通うのにちょっとあるので、大学の学生寮に入りました。

その寮が、円通寺の近くにあったのです。
だから、春夏秋冬、朝夕、比叡山を眺める事ができました。
それもあってか、私は、本当に、比叡山の稜線が大好きなのです。




戻ります

京福電車の「木野」駅で降りて、大学のあの急な坂を上り、守衛さんに「この大学の卒業生です。」と伝えて学校内をカメラを持って歩きました。私の卒業時とはかなり様変わりをしていて、グランドだった所に校舎がたていたりして・・・
校内は、文化祭の準備で忙しそうでした。


私の写真人生の原点であろう大学を訪れることにより、辛かった事、切なかった事、自分の至らなかった事、もちろん、楽しかった事、全てに対して、整理して、引き出しの奥から消し去る事ができました。

それによって、引きずっていた思い、絡みついていた思いが住んでいた場所に、新しい風が吹きはじめた事を心に感じることができました。

私の、青春の思い出がリライトされ、心が軽くなった瞬間です。



その後、円通寺まで歩きました。
それが、近くだと思っていたのですが、思った以上に遠く。

私は、この年の夏前に買ったレンズ「CanonEF70-300F4-5.6L」を抱えて来ていました。
この日は、あまりお天気がよくなくて、ひたすら、雲の切れ間からこぼれさす夕日が、比叡山を照らすのを待ってシャッタを押していました。
それが、なかなか、思うようには撮影できませんでした。

撮影したデーターを見ると、枯山水の庭園を撮ることもなくひたすら比叡山と、西に傾いた残り火に輝く木々を撮影しています。
なぜか、この時は、オレンジ色の陽の光が気になったようです。



▼ 下の写真が、円通寺の書院から撮影した比叡山の写真です。


▼ 下の写真が「こもれ陽に」です。

この写真を撮影したのが、2013年10月です。
そして、この写真を使ってPostcard ポエムを作成したのが、2018年12月です。

この写真は、私のパソコンの中で5年間眠っていました。
と言うより「パソコンの中で熟成されていた」と私は思っています。

そして、5年が経ち、私の思いの中に、チラチラとサインを送ってきていたのです。
その、チラチラのサインに私が気づき、Postcard ポエムになったのです。

このチラチラに気づくことができる、アンテナを持ち続けることが大切です。


写真を、寝かせる、熟成させる、ことの大切さ。

時が来るのを、ひたすら、待つ、ことの大切さ。

今、役に立たないことが、無駄なこととは限らない。

今、役に立たない写真が、無意味な写真とは限らない。



あなたも、
ずいぶん前に撮影されパソコンの中で眠っている写真を、
今一度、見直してみてはいかがですか?






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