Postcard ポエム「間 柄」2019年 9月

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家の窓から見える
真っすぐではなく 少しかしげて
間の抜けた夕空に立つ 2本のアンテナ

人の想いの傾きかげんに 似ている

人は 互いのつながりの中
呼吸をし 生きている
その ありふれた 生活の大切さ

人と人との間柄
人と社会との間柄

ローズピンクの空の下
エレガントな 間柄を訪ねて


2019年9月 Postcard ポエム
「間 柄」

家の北の窓から見える夕焼け空に、向かいの長屋の屋根に立つ二本のテレビアンテナです。
この写真は撮影した当時から大好きでした。しかし、タイトルが思いつかなくて、月日が過ぎていきました。
そんな時、「フォトコン」という写真雑誌で、青く広がった空の写真「まのぬけた空」とタイトルをつけているのを見つけて、「あっ、これだ!」と思っていました。

このポストカードポエム を作った頃の私は、人と人とのつながりが、時間とともに移り変わっていく様子を目の当たりにしていました。なぜ、どうして、人の思いが変化していくのだろう・・・あれほど仲が良かった人と、すれ違うようになってしまうのか?
いつもそんなことを考えていました。

人と人とのつながりのことを考えている自分の姿と、この写真のテレビアンテナの傾きかげんが、重なりました。それでこの「間柄」(あいだがら)というタイトルがつきました。


人は、個人的な面と、社会的な面の両方の在り方を持っています。

その人が、どんな環境で育ってきたかが、その人の存在、在り方に大きな影響を与えることがあります。

そうした中でも、人は孤立した個人的な存在ではなく、いつも、人と人との間柄の狭間で生きている。

一人でいる、一人で暮らし生きているようでありながら、絶妙な距離感の中で他の人と共に呼吸をして、生活を営んでいる。

人が生きていくということは、他の人とどのように繋がっていくか、どのような繋がりを求めていくのか、それを考えていく人間学なのです。


ポエムの最後のワンフレーズ、
「エレガントな 間柄を訪ねて」ですが、初めは「エレガントな 間柄を求めて」で作っていました。最後の最後、ワードにおこすときに、「求めて生きていくより」「訪ねて生きて行こう」と思ったのです。

自分の思うところを、訪ねて生きてみてはいかがでしょうか?



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