3枚の写真で組写真を作り
「ものがたり」を表現する
▼ 下の組写真が、2017年5月に展示した「 思うこと」です。
思うこと
大阪城で出会い写真を撮らせてもらった
彼女の帽子の下は坊主だそうで
人生で2回目だと言っていました
そこから先を聞いてみたい思いはあったのですが
言葉にはなりませんでした
坊主になると言う事には
強い反省の意味を持つ日本文化
しかし 彼女の言葉の端からは
そのような意味は伝わって来なかった
それよりも 何かに向かって歩き出そうとしている
強い決意が伝わってきた
「ありがとう」の言葉が キラキラと輝きながら
呼吸をしている空気の中に浮かんでいる
そんな暖かな風景の中で
少しつらい心を抱きながら
人生という車に乗り 心の求める居場所を目指し
今一度 アクセルを踏んでみてはいかがですか
前回の続きです。
一番上の写真から説明していきます。
▼ 下の写真を見てください。
この写真を真ん中の彼女の写真と組もうと思ったのは、上をむいて咲いているチューリップの花がこれから生きていく彼女の姿と重なり、また、チューリップの花のバックの白い丸ボケと、緑がかったグレーの色合いが、彼女の内面を現しているように思えたからです。
このチューリップの花の写真は、いつものチューリップの花の撮影にちょっと変化をつけてみようと、ローアングルで撮影してみました。
チューリップの花のそばに、葉っぱが映り込んでいるところが、ちょうどいいと思いました。
▼ 下の写真を見てください。
実際に撮影した写真です。
この日は、太陽が出ていなかったので、だいぶ暗い感じの写真になっています。
この写真をレタッチしていきます。
まず、自分の中でどのような写真に仕上げたいかを考えることが大切です。
私の中では、もう少し明るい写真に仕上げたいと、そして、バックの白い丸ボケをはっきりさせたいと思いました。
だから、露光を上げて、その分コントラストを上げました。次に、白レベルとハイライトを上げて、黒レベルとシャドーを下げています。
▼ 下の写真を見てください。
レタッチによって、バックの白い丸ボケが浮かび上がって、チューリップの花も明るくなり、花のピンク色が鮮やかになりました。
次に、トリミングです。
⭐️ ここでちょっと
トリミングについて説明します。
▼ 下の図を見てください。トリミングの基本図です。
縦線と横線との交点のところに、写真の主人公を配置すると
安定感のある、落ち着いたいい写真になると言われています。
よく知られている「黄金分割」の図です。
⭐️ ここでちょっと
私は撮影の際、いつもセンターピントで撮影します。スナップ写真が多いせいでもあるのですが、
シャッターチャンスを逃さないためです。
「あっ!」と思った時に、逃さず、迷わず、シャッターを押すためです。
「ROW [ ロウ ]( 生 )」画像で撮影していれば、「どんなトリミングも怖くない」という勢いです。
*スナップ写真の撮影の仕方の参考に、ぜひ、合わせてお読みください。
Many・Thanks
「スナップ写真とレンズ」は、こちらから
HAERUSHASHIN
3「スナップ写真の撮影について 1 」は、こちらから
HAERUSHASHIN
4「スナップ写真の撮影について 2 」は、こちらから
私が使っている写真編集ソフトは「Lightroom」(ライトルーム) です。
* Many・Thanks
「Lightroomのトリミングツールの使い方」は、こちらです。
戻ります
▲ 上のトリミングの基本図の赤い⭕️ のところに、チューリップの花が来るようにしてトリミングをしました。
▼ 下の写真を見てください。
いかがですか?
私の思っていた写真に近づきました。できればもう少しチューリップの花を明るくしたかったのですが、真ん中の彼女の写真と組むことを考えると、これくらいがちょうどかなぁと。
このチューリップの花の写真は、組写真の中では「近い写真」になります。
*トリミングでお悩みの方、ぜひ、参考に合わせてお読みください。
KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年4月 足もと」は、こちらから
KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年5月 若者 」は、こちらから
KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年7月 通りすがり 」は、こちらから
KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年9月 白の時 」は、こちらから
KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年11月 いちょうの葉 」は、こちらから
次に、一番下の写真を説明していきます。
▼ 下の写真を見てください。
この写真は、京都府亀岡市の平の沢池で撮影しました。池を撮影している時に赤いミニクーパーが信号待ちをしていたのでシャッターを押しました。
このミニクーパーの写真を真ん中の彼女の写真と組もうと思ったのは、これからの人生を赤い車に乗って、もう一度アクセルを踏み新しい場所に進んでいって欲しいと思ったからです。
▼ 下の写真を見てください。
実際に撮影した写真です。
このミニクーパーの写真は、組写真の中では「遠い写真」です。
レタッチをしていきます。
レタッチをする際は、自分の中でどんな写真に仕上げたいのかしっかり考えて、イメージを持っておくことが大切です。
私の中では、もう少し緑が明るくなって欲しいのと、赤いミニクーパーの色が、綺麗な赤になって欲しいと考えました。
だから、
レタッチで、露光とコントラストを少しづつあげて、ハイライトも上げています。そして最後に、自然な彩度を上げて、緑を綺麗な緑にしています。
▼ 下の写真を見てください。
レタッチをしたミニクーパーの写真です。
ミニクーパーの車の色が綺麗な赤になり、バックの緑も明るい緑になっています。
いかがですか?
次に、トリミングです。
トリミングによって、写真の中に写り込んでいる余計なものを取り除きます。
このミニクーパーの写真の場合は、左端に四角いものが写り込んでいます。それを取り除きます。
▼ 下の写真を見てください。
いかがですか?
ちょっとのことですが、スッキリしましたよね。
最後に組写真全体のことを説明していきます。
もう一度、
▼ 下の組写真2017年 5月に展示した「思うこと」を見てください。
私の組写真を展示する場所は、会議室の柱なので A3 の写真が 3枚縦に並びます。
その際、みる人の目線の動きを考えて、写真の重心を大切にします。
この「思うこと」の組写真では、写真の重心が、上から順番に、チューリップに写真は、写真の重心が左、彼女の写真は、写真の重心が右、そして、ミニクーパーの写真は、写真の重心が左、ということになります。
すると、展示した際に、3枚の組写真全体を考えた時、上から、左、右、左と、ちょうどバランスが取れた組写真になります。
そして次に、
組写真を組んでいく際の順番を説明していきます。
私は、組写真を組んでいく時、最初に人物の写真を決めます。
その人物の写真を撮らせていただいた時の会話を思い出しながら、後の 2枚の写真を考えます。
その時に、「遠い写真」と「近い写真」を頭の中でイメージしています。
この組写真では、「遠い写真」とは、ミニクーパー写真がそうです。そして、「近い写真」とは、チューリップの写真です。
組写真を組んでいく時、人の写真と、近い写真、そして、遠い写真を必ず考えています。
この思いで、3枚の組写真を作ることによって、組写真全体がバランスがとれた組写真になります。
最後に、組写真全体をつなげている色「赤」です。
チューリップの花の赤、彼女のバンダナと帽子の赤、そして、ミニクーパーの車の赤、です。
この赤によって 3枚の写真が違和感なくつながって見える組写真になっているのです。
組写真を組んでいく際に、色を考えることはとても大切なことだと思います。
2017年 5月の組写真「思うこと」の「ものがたり」は、
「頭を坊主にすることによって、何か辛い思いを心に抱きながらも、過去をふっきって、新しい未来に向かって赤い車に乗り、今一度人生のアクセルを踏む」という「ものがたり」になりました。
心に絡みつく思いをふっきって、突き進んでいくことの大切さ。
なかなか難しいですが、
人生のアクセルを、踏み込む勇気を思い出しましょう。
前回の、
2017年 5月 編 [ 1 ]「思うこと」の説明は
KUMISHASHIN
「組写真 作り方 考え方 2017年 5月編 [ 1 ] 思うこと」は、こちらから
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「スナップ写真とレンズ」は、こちらから
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「組写真・作り方・考え方」は、こちらから
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