イメージ写真からの はがきサイズのポエム
我が家に猫がいます 名前は リン
カラスに襲われている所を助け
それ以来 我が家の猫になりました
私は リンのおばあさんとお母さんとも
ちょっと知り合いだったのです
だから リンが我が家の猫になった時
ごくごく 自然な成りゆきに思えました
今では 家族です
膝にのせて ゴロゴロと響く
お腹の声を聞きながら
ちょっと遠い未来を思い
ゆるい時間をリンと過ごしています
写真からのポエム 2018年11月
「めぐり逢うって」
我が家は、マンションの一階でベランダの前は幅5メートルほどの芝生地があり、その芝生には、等間隔に木が植えられています。
ある日、ベランダの斜め前の木の下で日向ぼっこをしているノラ猫を見つけた。気持ちよさそうに、夕方までその木下でのんびりしていた。
そのノラ猫が、ベランダにタオルをひくとベランダまで上がってきて、そのタオルの上で寝いたので、次は、箱の中にタオルをひいて置くとその中で寝るようになった。そこで、このノラ猫に名前を付けようという事になった。
このノラ猫が我が家で初めて名前の付いた、「ムーン」です。なぜこの名前がついたのかというと、スタジオジプリの「耳をすませば」に出てくる猫の名前を頂いたのです。
このベランダに面している四畳半の部屋は、その頃、下の息子の部屋で、大学受験のために夜遅くまで起きていた。そこに遊びに来たのがこの「ムーン」です。そのうちに、ベランダの扉を開けておくと部屋に入ってくるようになった。そして、息子が食べていたスルメをもらって食べていた。本当に、おかしなノラ猫です。
今思うと、息子の大学受験を見守っていてくれたのだと思っています。
一週間ぐらい姿を見せない時があり、心配していると、突然、戻ってくる。顔にひっかき傷を作り、体はもうヨレヨレのボロ切れのような状態で、一合戦あったかのようだった。ミルクを少し温めてそばに置くと、箱から出てきてペチャペチャと音を立てて飲んでいました。
そんなムーンも来なくなる。
本当に寂しい。スタジオジプリの「平成狸合戦ぽんぽこ」にある様に、どこかのノラ猫の窮地を助けるために遠くの町へ旅だったのかも・・・とか思い、又いつか帰ってきてくれるのではないかと思い、寂しさを紛らしていました。
それから、だいぶ経ってから、
ある日突然、親子連れのノラ猫が来るようになった。
お母さん猫がサンで、子猫がカンです。この子猫は、アメリカンショートのようにシルバーグレーにとら柄の本当にノラ猫なのかと思うほど美しくて、可愛い子猫でした。その子猫のカンがベランダで餌を食べている時、いつしか、撫でさせてくれるようになりました。
私は、その頃、上の息子が、大学を辞めてバイトをしていたので、それを見守ってくれるためにやってきてくれたのだと思い、息子にも時々撫でさせていました。
そのうちにお母さん猫のサンは、来なくなりましたが、カンはずっとミルクを飲みにやってきていました。そのカンが、しばらく来なくて心配していたら、ある晩、ずぶ濡れでみるもみすぼらしい姿で、ベランダの箱に戻ってきたのです。もう、嬉しい反面、可愛そうで、可愛そうで、涙が出てきました。冷蔵庫から出したミルクを電子レンジにかけて少し温かくしてそばに置いてやると、ぺちゃペチャと飲んでいたので、「ゆっくりしていきよ」と声をかけました。次の日のお昼ぐらいまでベランダの箱の中で寝ていました。
私は、この頃、こんなにのら猫を、触ってもいいものなのか・・・と思っていました。良い人ばかりではなくて、ノラ猫の嫌いな人のいるので、変に人に慣れさせては、いけないのではないか、帰ってカンにとって良いことではないのではないかと思う様にもなっていました。
しばらくして、
我が家のマンションの外壁工事の為、ベランダの外側に足場が組まれました。言うまでもなく階段があるので、簡単にベランダに来る事ができる様になりました。
そんな時、カンが、二匹の子猫を連れてベランダにやってきました。黒猫ととら柄猫です。カンとは違って普通のとら柄の色です。
黒い子猫は、ジジ、とら柄の子猫は、トラと名付けました。
突然ですが、このトラが、我が家のリンのお母さん猫です。
カン、そして、トラ、リン、です。
この頃から、このベランダの四畳半の部屋は、私の部屋になっていました。夕方になると、ベランダのガラス扉を開けておくようにしました。すると、ジジと、トラが、四畳半の部屋に遊びに来るようになりました。
ジジとトラがやって来て四畳半の部屋で遊んでいるのを眺めていると、とても気持ちがなごみなした。
そして、ジジ、トラ、と声をかけると振り向いてくれるようになりました。
だいぶたってから、
ある時、子猫の泣き声が聞こえていました。どこからだろうか?と思いつつ、ベランダの下なのかと思っていました。すると、四畳半にある私の机の後ろで泣いていたのです。トラの子供だったのです。生まれて間もない目も開いていない子猫だったのです。その時は、トラに返さなければと思い、ベランダの段ボールの箱に入れて置くと、トラは、口に加えてにベランダから降りて、連れ帰りましたが、前の芝生を横切る間、何度も何度も、子猫を口から落として・・・もう大丈夫か?とは思いつつも、やっぱり、親に返さなくては・・・と思い・・・もう、後ろ髪を引かれる思いでした。
すると次の日もまた、私の机の後ろに連れきていました。よくよく子猫を見ると、後ろ足の付け根のところに怪我をしていて、その時、トラに返すと死んじゃうんじゃないかという思いが心をよぎりました。
それで、この子猫を病院に連れて行って診てもらいました。獣医さんの話では、カラスに突かれた傷だそうで・・・親猫に返していたら死んでいたでしょうと・・・
我が家で飼う事にしました。
そこからです。薬をミルクと一緒に飲ませて、傷口を消毒して・・・もう毎日、毎日、大変でした。
そして、リンという名前がつきました。
それからも、トラはベランダにやって来ては子猫を返してと、ガラス扉をカリカリしていました。その親猫のトラの思いが私にはとても辛くって、切なくって、「ごめんね、トラ、リンは怪我をしているから、トラに返す事ができないの、必ず、ちゃんと育てるから・・・トラ、本当にごめんね・・・」と
我が家の、リン、です。
そして、家族です。
無事に、大きくなりました。
マンションの周りで、ジジもトラも見かけなくなりました。どこに行ってしまったのか・・・と
ノラ猫とめぐり逢い、触れ合い、そして、別れて行くことの哀しさに、胸が締め付けられます。
ムーン、サン、カン、ジジ、トラ、の事を書きながら、胸の中は、哀しさでいっぱいで、ちょっと辛い部分もありました・・・が、しかし、どうしても、書き残しておきたいという一心で書きました。
人の世と、同じですね。
いっぱい、切ないです。
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