組写真・作り方・考え方 2015年 4月 編[ 1 ]「ひととき」

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3枚の写真で組写真を作り
「ものがたり」を表現していく

2015年4月に展示した組写真「ひととき」
について説明していきます。


▼ 下の組写真が、2015年4月に展示した「ひととき」です。

ひととき

地面に 桜の花がたくさん どうして?
でも すずめの仕業ではなさそうだし
見上げてみると 一羽のインコが 枝にとまり
桜の枝を 折っている

どうしてこんな所に インコがと 不思議に思っていると
そばに居た老人が 手に持っていた枝を
インコの前に 差し出した
すると インコはヨイショと その枝に移った
この老人が 飼っているインコなんだ
そして その老人は インコを肩にのせて
鼻歌を口ずさみながら
( あっめ あっめ ふっれ ふっれ・・・・・ )

あっ!
ああ
そうか
と思う私でした




4月の展示なので、入学、新学年など、新しい場所での始まり、
それに伴う不安と期待の入り混じった「春の乙女心」が、
表現できればと思いました。


まず、真ん中の写真から説明していきます。
▼ 下の写真を見てください。

修学旅行で大阪城を見に来ていた、女子中学生のセーラー服の後ろ姿です。
( 後ろ姿の方が、表情や心の動きとかに想像力を働かされるのではないでしょうか )

新しい学校や新しい学年の始まりを表すには、どんな写真がいいのかと、色々思い浮かべて見ました。
それで思いついたのが、「やっぱり制服かなぁ」と、それも、セーラー服がいいのではないかと思いました。

トリミングで、セーラー服の左下の襟の部分を少しカットしています。
カットすることによって、見た人の頭の中で多分あるであろう部分を作って、写真に広がりを持たせます。

レタッチは、露光を上げて、明るい写真にして、その分コントラストをかなり上げてパチットした写真に仕上げています。


次に、一番下の桜の写真を説明していきます。
▼ 下の写真を見てください。

この写真は、ライブビューでカメラを持っている手を地面に着けて撮影しました。
絞り数値を一番小さくして、桜の花のラインにだけにピントが合うようにしています。

▲ 上の写真が実際に撮影した写真です。
この写真では、何が主人公なのかはっきりしないので、桜の花を主人公にしてトリミングをしました。

桜の花の上と下のぼやけ感が、春霞のような空気をかもし出していると思います。
そして、地面に落ちている桜の花が、セーラー服の少女の心の一部分です。


⭐️ ここでちょっと

▼ 下の図を見てください。

よく言われている「黄金分割」の図です。
縦の線と横の線が交差したところに写真の主人公を配置すると落ち着いた写真になると言われています。

また、
写真全体の分割、例えば、空と海が写っている写真の場合、写真の中で、空と海の比率をどのような割合でトリミングしたらいいのか迷った時、この「黄金分割」の図を思い出してください。


戻ります

だから本当は、⭕️ 印のところに落ちている桜の花を持ってきてトリミングをしたかったのですが、上の部分を多くしても、下の地面の部分を多くしてもちょっとピンとこなかったので、このようなトリミング になりました。




*トリミングでお悩みの方、
ぜひ、参考に合わせてお読みください。
KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年4月 足もと」は、こちらから

KUMISHASHIN
「組写真・トリミング・考え方 2013年5月 若者 」は、こちらから


私が使っている写真編集ソフトは「Lightroom」(ライトルーム) です。

 「Lightroomのトリミングツールの使い方」はこちらです。






今更ですが、組写真全体のバランスを思うと、一番下の桜の写真を反転させて、写真の重心が3枚とも左側に来ているのを、写真の重心を上から左、左、右、にしてたほうが良かったのではないかと思います。
ちょっと、組み直して見ました。



▼ 下の組写真を見てください

こんな感じです。いかがですか?
このほうが落ち着くと思いませんか?




次回は、この続きと、この組写真全体の「ものがたり」に
ついて説明していきます。


続きの、2015年 4月 編 [ 2 ]「ひととき」の説明は下のところから、
KUMISHASHIN
 「組写真・作り方・考え方2015年4月編[ 2 ] ひととき」 は、こちらから



KUMISHASHIN
 「組写真・作り方・考え方2015年3月編[ 1 ] 翔けていく」 は、こちらから



Many・Thanks 「スナップ写真とレンズ」は、こちらから

KUMISHASHIN 「組写真・作り方・考え方」は、こちらから

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