彼女の手を合わせる姿に
息子たちが小さい時のことを
思い出した
「 アガパンサスと祈りの中で 」
家から駅に行く途中にアガパンサスの花が綺麗に咲く、三角形の小さな庭がある。
そこに、
大きな柊の木( ひいらぎの木 )があり、その木の周りには、ツツジやフジ、
そして、
アガパンサスの花が毎年咲いている。
柊の木( ひいらぎの木 )は、昔から鬼門をに植えると魔除けになると言われています。
ある朝、
彼女は裏鬼門の方向に向かい手を合わせて祈っていた。
その視線の先にあるのは柊の木( ひいらぎの木 )
手を合わせながら柊の木( ひいらぎの木 )を見上げている、
しかし、
その視線は、柊の木( ひいらぎの木 )の、その向こう側を見ている気がした。
何が彼女をそうさせているのか・・・
そんな彼女の姿が目に焼き付いて忘れられなかった。
なぜかと言うと、
その姿は、
自分のために祈っているのではないような気がしたからです。
息子達が幼い頃
我が家では、どんなに忙しい時でも主人が出かけるときは、玄関で息子達と3人で主人を見送った。
「いってらっしゃい❗️」と
この後、どんな出来事が起こるかわからないからです。
そういえば、
私も息子達のためによく祈っていた事を思い出した。
幼い頃は私が彼らを色々なことから母親として守る事がきた。
それが、
息子達が小学生になり、中学生になり、私の目の届かないところに行く事が多くなり、
私だけでは、彼らを守る事が出来なくなった時、
言葉にするのは、ちょっと恥ずかしいのですが、「かみさま」にお願いをした。
私的には、
この「かみさま」というのは、「宇宙的な、かみさま」です。
「どうか無事に私のもとに返してくださいと。」
そして、
彼らが家に帰ってきたときは、
「無事に私のもとに返していただきまして有り難うございました。」 と
唯一、
この頃の私にできる事は、手を合わせて息子たちの無事を祈ることだと知りました。
下の息子が大学生の時、車の免許をとった。
そして、
バイクを買ってアルバイトに行く時に乗ると言い出した。
とても心配で、どんなボロでもいいから車にして欲しいと思った。
しかし、
それを伝える事が出来なかった。
彼が考えて決めた事だから、親が無理やり止める事はいけない事だと思ったから・・・
しかし、
心配で、心配で・・・
そんな折にどこかで、
家を出る時に「いってらっしゃい、気をつけて❗️」と声をかける事によって、
「かみさま」に「今から私の息子がバイクで出かけます。よろしく見守ってください」と声をかけている事になると言う事を知った。
それからは、「いってらっしゃい、気をつけて❗️」と
「気をつけて❗️」の一言を付け加えた。
ある日、
息子に、「母さん、なんで兄ちゃんには言わないで、僕にだけ言うの?僕の運転が下手だと思うの?」と聞かれた事がある。
その時私は、
「君は、バイクに乗っているから 気をつけて❗️ と言って、「かみさま」に今から私の息子がバイクに乗って出かけますから見守ってください、と言う思いを込めているのだ」と説明しました。
息子は、「わかったと」と、言ってくれた。
本当に、ちょっと恥ずかしいのですが、
私には、長年の寝る前の日課がある。
「かみさま」に、
「今日一日無事に過ごす事が出来まして有り難うございました。明日も一日良い日でありますように」と感謝をこめて祈ります。
祈る事によって
なぜか、ざわめく心に、安らぎがやって来てくれるのです。
それから、眠りにつきます。
初夏の頃、
アガパンサスの花が咲くと彼女の祈りの姿を思い出します。
近年、アガパンサスの花の後ろの所に、「花を折らないで下さい」と書かれた短冊が細い糸の先にぶら下がっています。
これを下げた時の彼女の思いはどうだったのだろうか・・・
日本には昔からそこここに「かみさま」がいると伝えられています。
「宇宙的な、かみさま」に、祈ると心が落ち着き安らぐのは、私だけでしょうか❓
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