組写真・作り方・考え方 2016年 3月編 [ 2 ]「つながる」

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3枚の写真で、組写真を組み
「ものがたり」を表現していく

▼ 下の組写真が、2016年3月に展示した組写真「つながる」です。


つながる

彼女は 大阪城の大手門近くの広場で
芝生に寝ころび本を読んでいた
私が近づき「写真を撮ってもいいですか?」と
尋ねると 即答で「OK」と言ってくれた
「どちらから?」「デンマークから」
「友達は?」「alone」バックパックで日本に来たとの事
帰り際 笑顔で手を振ってくれた

下は 奈良県山添村の長寿岩
直径が7mもあり 推定重量は600t
見事な球体をしている
この岩には 赤道と子午線を表していると思われる
「十字ベルト」がある 地球みたいですね

私がこの3枚を組んではいるのですが
なぜか この3枚の写真自体が引き寄せあって めぐりあって
私の作品になっていった気がします

車の「VOLVO」の意味は ラテン語で
「私は回る」だそうです





⭐️ 前回の続きを説明して行く前に、
私が組写真を飾らせていただいている会議室の一本の柱について説明していきます。

私の場合、組写真を飾らせていただく場所が、会議室の柱なので、基本的にA3の額3枚が、縦に並ぶ構図です。

だいたい、下の図のようになります。

組写真の構図

この一本の柱の中で、A3の3枚の写真でどのように組写真を表現していくのか?
このA3の写真3枚のうち、2枚を決めるのはあまり難しくはないのですが、次の3枚目を決めるのがとても難しいです。関連性がありすぎると、面白くなくって、また、とっぴもない写真を持ってくると訳が分からなくなってしまいます。
また、組写真に変化を出すために、人物の写真を決めた後は、「近い写真」と「遠い写真」の3枚で組むように心がけています。
すると、組写真にリズムが出て来て、息の詰まった感じがなくなります。



では、前回の組写真「つながる」の続きを説明していきます。
▼ 下の写真を見てください。

真ん中の彼女の写真、デンマークからバックパッカーで日本にやって来た彼女の写真と組むには・・・
飛行機の写真か、車の写真か・・・
車なら外国の車、ベンツ、アウディー、フォルクスワーゲン、BMW、そして、ボルボ、シボレー・・・
と、色々考えました。それも、赤い色の車。なぜかと言うと、彼女のカバンの色と合わせるためです。
そんな思いを胸に、大阪城の駐車場に赤い外車を求めて撮影にいきました。

撮影に行って出会える車がこの組写真と組める車なのだと思う私です。

そして、このボルボの赤い車に出会えました。

いい赤です、カーマインレッド、車体が低く、真ん中の彼女の写真と組めると思いませんか?




▼ 下の写真が、撮影した写真です。

もう少し左に回り込んで撮影すれば、左の車が映り込まないのですが、車を真正面から撮影したくて、こうなりました。
真ん中の彼女の写真と合わせるために、地面をできるだけ残して、上のフロントガラスのギリギリの所でトリミングをしました。
それによって、左の車をカットすることができました。

私が使っている写真編集ソフトは「Lightroom」(ライトルーム) です。

Many・Thanks 「Lightroomのトリミングツールの使い方」はこちらです。


レタッチは、露光を少し上げて、その分コントラストも少し上げています。
ナンバープレートは、補正ブラシツールで消しています。

Many・Thanks 「Lightroomの補正ブラシツールの使い方」は、こちらからです。



この赤い車の「VOLVO」の意味は、ラテン語で「私は廻る」だそうです。
この意味からも、真ん中の彼女の写真に合うと思いませんか?





次に、一番下の写真を説明していきます。
▼ 下の写真を見てください。

この写真は、奈良県山添村の長寿岩です。
直径が7mもあって、推定重量は600t 、で見事な球体をしていると思いませんか?
石の周りをぐるりと回り、余計なものが映り込まない場所を探しました。
ここからのアングルだったのです。

右斜め上から左下に向かって白い線が見えます。これが子午線か、赤道か、交わっているところがあるのですが、ちょっと分かりにくいので写真を載せるのをやめました。
でも、地球に見えませんか?
岩の表面の凹凸の跡が、大陸のように見えて・・・

彼女が、地球を巡るという感じと、長寿岩の写真のアングルが彼女の写真に似ているからこの写真に決めました。
真ん中の彼女の写真の手前にある芝生と、この長寿岩の手前の草の在り方が似ていますでしょ。

▲ 上の写真を見てください。
この大きさです。凄いですよね。
上の写真の岩の色とずいぶん違うのですが、これは、太陽が当たっていのるか、当たっていないかです。
太陽の光は、凄いですよね。
写真撮影に、太陽の光は欠かせないものです。


真ん中の写真の彼女が持っているバックの色と、車のボルボの色、
そして、写真のアングル。
真ん中の写真の彼女が、寝転がっている芝生と、長寿岩の手前の植え込み。
車のボルボのアングルと、長寿岩のアングル。
どことはなしに、頭の中で重なる、関連するイメージがある事が大切です。



▼ もう一度、2016年3月に展示した組写真「つながる」を見てください。

長寿岩は、あえて青い空を入れてトリミングをしました。
なぜかと言うと、3枚とも上が詰まっていると、ちょっと息が詰まる気がしませんか?

真ん中の彼女の写真を決めて、赤い車ボルボの写真は「近い写真」そして、長寿岩の写真は、「遠い写真」です。
この3枚で組むことにより、リズムがある組写真になったと思いませんか?

この組写真の「ものがたり」は、「デンマークから彼女はボルボの赤いスポーツカーに乗り、地球の色々な国々をめぐり、廻り、さまざまな文化と触れ合う事で、彼女自身を成長させていく」になりました。


ひよっとして、「彼女は、今、日本に住んでいるかもしれない」と、思う私です。



前回の、
組写真・作り方・考え方 2016年 3月編 [ 1 ] の説明は、下のところから、
KUMISHASHIN
 「組写真・作り方・考え方 2016年 3月編 [ 1 ] つながる 」は、こちらから



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 組写真・作り方・考え方 2016年2月編 [ 2 ] 言葉なき思い  は、こちらから




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