ローベル・ドアノー「生きる喜び」写真展を見て

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写真のモデルとどれだけ言葉を交わしたのか
空気中に溶け込みシャッターを切っているのか

今、「何必館・京都現代美術館」にて催されている
ローベル・ドアノー ( 1912~1994 フランス )
の写真展を観に行ってきました。

スナップ写真を撮っている私にはとても楽しかったです。
また、人の写真を撮ることの難しさと、素晴らしさとを
あらためて、感じました。

「何必館」には京阪電車で行き、祇園四条駅で降りて、
四条通りの北側を、八坂神社に向かって歩いて行きます。

通りの店並に突然現れる近代的な玄関
入り口が少し奥まっているので、通りの騒がしさが消えて
空気感が自然と変わる感じです。

入ってすぐの所でチケットを買い求め、すぐその場から「子供達」の展示が始まる。
その中の、「耳打ち」の写真の前に来た時、「なぜこの題名なのか」と思うのと同時に
「クスッ」と笑えた。

エレベーターで2階に上がり、「恋人」の展示
この一瞬にシャッターを押せたのが不思議でならない。

次に、3階「酒場」「街路」
「芸術橋のフォックステリア」が好きです。

5階では、ドアノーのアトリエを訪ねて、二人の娘さん達に取材した
映像記録が特別に放映されていました。
父、ドアノーの様子がこまかく語られていて、
写真家ドアノーが、どの様にして、また、どの様な思いで撮影されていたかを
感じることができました。

ローベル・ドアノー
たくさんのものを見 たくさんのことを聴いてきたけれど
うれしくて それに 夢中だったので 何も学ばなかった
ただひとつ学んだのは 老人たちの動きの気品ある
緩慢さは 関節が硬くなったためというより
熱っぽい 叡智の重みによるものだということだ

また

伝書鳩が 地図を読むことを覚えたとしたら
きっと 方向感覚を失ってしまうだろう
自分にとって大事なことは 大きな好奇心を
もって パリの雑踏の中を自由に歩くことだ

と、書かれています。



被写体の人々
写真を取られているのだが、身構えるのではなく
自分の一番大好きな「素の自分」をさらけ出してモデルになっている。
どれだけ写真の人物と言葉をかわしたのだろうか・・・・と思う。

空気の中にとけこみ、シャッターを切っている様に思える写真と
面と向かって、向き合いシャッターを切っている写真
どちらも、素晴らしい写真です。

あと、少し ( 11月29日 ) までですが、時間を見つけて
ぜひ、観に行ってください。

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